ルーマニア旅行2005 8月26日
4日目、行動開始 [Web拍手]
7時起床。
の予定が寝坊して7時40分起床に。そろそろ旅疲れか?
ホテルのレストランで朝食。AセットとBセットという感じでセットものだったので相棒と別のを頼んだ記憶はあるものの、中身があんまり思い出せません。卵焼きとかハムとかそんな感じだったような。
今思えば食事の度に出てきた料理を写真に収めるべきでした。後悔先に立たず。私の記憶役立たず。
シギショアラ観光 [Web拍手]
朝食の後はシギショアラ旧市街地の観光開始です。
9時にアディと待ち合わせて街へ出ました。
ここシギショアラはトランシルヴァニアの宝石と讃えられる世界遺産の街です。
我々はヴラド・ドラクルの家を目当てにやってきましたが、そんなの抜きで十分有名な観光地です。
ホテルを出てまずは時計塔へ。途中ヴラド・ドラクルの家※1の前を通ります。そう、ここがヴラド・ツェペシュの生家ってやつです。今は「カサ・ブラド・ドラクル」というレストランになっています。
朝早いのでまだ準備中ってとこでしょうか。とりあえずそのまま通り過ぎてそのまま時計塔へ。
この時計塔の内部は現在博物館になっています。入り口で入館料を払い、ついでにお土産物色。
絵葉書などの他に、シギショアラの風景を収めたらしきDVDっぽいものも並んでいます。
でもDVDってリージョンコードあるからなぁ、見られなかったらしょげるよなぁ。日本のリージョンコードって2だっけ? ヨーロッパのコードっていくつよ?
そんな会話を相棒と交わしつつしばし悩んだ後、思い切って聞いてみました。
すると返ってきた返事は。
「それ、CD-ROMだから大丈夫!」
……。
そ、そっか。それは間違いなく大丈夫だね。うん。
まさかDVDサイズのパッケージの中身がCD-ROMだとは思わなかったよ。うん。
オチに拍子抜けしつつ、安心してお土産に。
そんなこんなで見学開始。
まずは街の博物館らしくシギショアラの模型がででんと。
アポロ計画に携わったシギショアラ出身の科学者がいるとかで、ロケット関連の資料まで展示されています。随分雑食な博物館だな……。
元が時計塔(今も動いてますけど)なので、上へ上へと進みます。さぁ上がれ上がれ。
18世紀の外科手術器具やら、いつの時代のものか古い家具やら食器やら、いろいろ飾られています。
さらに上がって、いよいよ時計塔の中枢部へ。
時計塔の機械室。現役で稼働中。よく見たらアディが写ってる……。
そして面白かったのが曜日表示。円形の台座の上に7体の人形が並んでおり、それぞれが曜日を象徴しているのだそうです。時計塔の外から見えているのが今日の曜日なんですって。
写真手前側に写っているのは日曜日の象徴太陽ですね。
さらに上へ。
今度は展望台。ぐるっと一周360度街を見渡せます。
展望台の手摺にはいろんな国の主要都市への方角&距離プレートが。東京のプレートも発見。
東京まで8890kmか。思えば遠くに来たものだ。初めての本州脱出が8890kmになるとは。
(帰国後、某あいのり※2で全く同じ風景が映ったもんだから思わず「うわ懐かしい!」と相棒と盛り上がりました。)
展望台まで楽しんだ(でも高い所怖い)後は、山上教会へ。
と思いきや、時計塔の下にある牢屋跡に連れて行かれました。
狭い入り口を潜ると中には拷問器具が展示され、使用方法の解説も額に飾られています。
牢獄跡を出ると、時計塔の裏側(?)へ。絶好の写真スポット!! 青空と時計塔の対比が綺麗。
その後山上教会に移動するために時計塔の表側に戻ると、来る時は開いていなかったカサ・ヴラド・ドラクルが営業開始していました。
いかにもな看板が店の前に出ています。
そのままレストランの裏手に入り、山上教会へ。
ここ、シギショアラ旧市街地は基本的に石畳。日本のアスファルトで舗装された道に慣れきった脚には、正直少々歩きづらいです。旧市街地自体が丘の上なのでほぼ全部坂道だし。
でも日本にいる時より足首の調子いいな~……なんでだろ。
……もしかして、自分で車運転してないからじゃない?
「今頃気付いたか」
酷いです相棒。私が車に乗るのって9割くらい相棒の送迎じゃないか!
閑話休題。
山上教会という名前が示すとおり、教会は山の上にあるわけで。
ひたすら登ります。先客多数。まぁポイエナリ城の1500段に比べればこんなもの何てことは無い!
と言いたいところですが、ポイエナリ城のお陰で見事に筋肉痛が発生中。もはやこれは苦行としか……。
待って~置いていかないで~、と弱音を吐きつつ、写真だけはしっかり撮りました。
そしてたどり着いた山上教会。
改装中。
気を取り直して教会の中へ。
残念ながらこの教会、内部は撮影禁止。入り口の料金所にもカメラ禁止マークがバッチリ出ていますし、建物の中の写真に良さそうな場所にもしっかり禁止マーク。
ああっ、こんな素敵被写体を目の前に指を咥えて見ていろというのか! 悶々としていたらアディ登場。
「係の人に許可とってきたよ。フラッシュ無しでこっそり撮ってね」
ありがとうアディ! 何て頼もしいんだアディ!!
あっさり顔パス効き過ぎですアディ。一体何回ここに来ているんでしょうアディ。
どうやって説明したのか詳しい事は聞きませんでしたが、どうやら「わざわざ日本から来たマニア」とでも言ってくれたっぽいです。もしかしたら取材扱いにされていたのかもしれません。
だとしたらパット見一眼レフに見えかねないデカいデジカメ、別の意味で大活躍。
確かにシギショアラに限らず、こんなデカいカメラ構えてる観光客、ほとんどいませんでした……。
アディの尽力により撮影できた教会内部の写真です。
祭壇の真下あたりにはカタコンベ(地下墓地)までありました。
- ※1 ドラキュラ公の父であるヴラド・ドラクルが1431~1435年に幽閉されていた場所。現在はカサ・ヴラド・ドラクル(Casa Vlad Dracul)という名のレストラン。
- ※2 フジ系列で放映中の恋愛バラエティ番組。若い男女がラブワゴンに乗って世界各国を旅しながらカップル成立目指して頑張るアレ。#294~#299までがルーマニア。大学時代クラスメイトが乗っていて吃驚した事有り。ちなみにルーマニアの後、#306まではハンガリーです。
シギショアラ出発 [Web拍手]
山上教会見学を終え、ホテルに戻って荷物を纏めて11時半。チェックアウトして次の目的地に向けて出発しようとしていると、アディがホテルの従業員を連れてきました。
従業員のお姉さん、折鶴の折り方が知りたいそうです。
旅行中、チップも含め料金支払いの計算は全部アディがやってくれていたので、私は暇な時に折鶴折ってテーブルに並べたりしていました。(英語喋れないので暇つぶしとも言います。)
どうやらお姉さんはその折鶴が気に入った模様。
ホテル前のカフェスペースにぞろぞろ集まって折鶴の会に。しかしまぁ……日本人ってやっぱり器用なのかもと思いました。どうも角を合わせて折るのがそもそも困難っぽいです。
一応一通り教えて何だかほのぼのとした異文化交流を終えて、11時40分シギショアラを出発です。
お姉さん、果たしてちゃんと折れるようになったのでしょうか。
シギショアラを出て向かうはビストリッツァ。ビストリッツァといえば『吸血鬼ドラキュラ』の冒頭でジョナサン・ハーカーが滞在している街。
「昼ごはんどうしますか?」
あ、忘れてた。
今回も昼食の場所はアディにお任せすることに。
そして目的地に向かい、また延々と大自然の中。相棒は半分寝てます。私はたまに良い景色があったら車の中から窓越しに撮影しているのでずっと起きていたのですが……。
何やらアディがB5くらいの紙を見てます。どうやら会社から渡された(?)行動予定表のようです。どことどこを回るとか地名が書いてあるっぽいのですが……
メモの最上部にデカデカとこんな文字列が。
XX Family → Dracula's history
なんて直球過ぎる指令書。
トゥルグ・ムレシュ [Web拍手]
12時25分。到着したのはビストリッツァ……ではなくてトゥルグ・ムレシュ。ビストリッツァより大分手前。
自分から希望した場所ではないので正直何があるのか知りません。
『地球の歩き方』をぱらぱらめくってみる。ふむ、ムレシュ県の県庁所在地とな。確かに県庁だけあって都会の雰囲気が漂っています。シギショアラ(の旧市街地)とは大違いです。
アディに連れられ街の中心にあるコンチネンタルホテルのレストランで昼食。
連日の大食いでさすがに胃が重くなってきたので、ナスのサラダ。相棒は普通に肉料理を頼み、やはりついてきたママリガ(ポレンタ)にげんなりしておりました。
決して「美味しくない」というわけではないので、所謂「米が恋しい」というヤツと思ってください。
昼食の後はトゥルグ・ムレシュを散策。文化宮殿へ。
まずは2階、鏡の間。細長い部屋の両端に鏡が設置されて「合わせ鏡」になっています。一瞬部屋がずっと続いているような錯覚を覚える造り。
そしてその間の窓は全てステンドグラス。いろいろな物語の場面が描かれているそうな。
案内係の人が英語の解説テープを流してくれましたが、相変わらずさっぱり聞き取れない私はひたすらただのカメコでした。
鏡の間を出た後は、1~3階をぶち抜いたコンサートホールへ。
豪勢としか言いようがありません。
ちゃんとパイプオルガン生演奏付です。その時ホールにいた観光客は我々+アディの計3名のみだったのにも関わらず。人が入ったら演奏するのか、それとも時間が決まっているのか分かりませんが……。
さて、見るべきものは見たし出発するかと車へ戻る途中、薬局の前を通りかかった時、アディが立ち止まり薬局の看板を指差して何か熱く語り始めました。
どうも、お土産ものとして大人気の美容クリームらしいです。アンチエイジングのクリームで、日本人観光客は皆コレを沢山買うよ! くらいの勢いの説明です。
あまり興味の無い我々。でもその熱心さに押されて薬局に入店。
アディは薬局のお姉さんまで呼んでくれて、ルーマニア語(店員)←→ルーマニア語(アディ)・英語(アディ)←→英語(我々)という流れで商品説明まで開始です。
うーん、ここまで薦めるってことは本当に大人気なのかもしれない。価格もお手頃。美容クリームだから肌に合わない可能性もあるけど、この値段なら失敗しても別に痛くないなぁ。
で、母親とお姑さんへのお土産用に1つずつ購入して、14時40分頃トゥルグ・ムレシュを出発しました。
ちなみに後日の移動中にもアディが何やら道路沿いの森(?)を指差し、
「これがじぇろびたる(←この単語自体あまり聞き取れていない私)を開発している研究所ね」
一体何なのかじぇろびたる。
その恐るべき正体は帰国後明らかに。
いざ母親に手渡す段になって何のクリームなんだと聞かれて答えられなかったため、初めてぐぐって調べてみたところ……
じぇろびたるってこんなのらしいですよ→GEROVITAL
(;゜д゜)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゜д゜)
(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゜ Д゜)
思わずAAを使ってしまう程の衝撃。
現地購入価格は120,700Lei(旧)/12.07Lei(新)
10000旧Lei=1新Lei=約40円。
12×40をその場で30回くらい計算し直した私を誰が責められようか。
確かにこれは、このクリーム目当てにルーマニアに行く日本人がいると言われても否定できない価格差です。
自分の分も買っておけば良かった。
ビストリッツァ通過 [Web拍手]
16時40分、ビストリッツァ到着。
そのまま通過。
「へ~、ここがビストリッツァかぁ。ここからジョナサン・ハーカーの苦難が始まるのね」
なんて思いつつ車の中から街並みを眺めて終了。
特に見るところ無いし。※1
さぁ向かうはティフッツァ……ドラキュラホテル。
野を越え山越え谷越えて。
ひたすら道を突き進み。
我々がルーマニアに来る直前の大雨の影響か、ところどころ道が崩落していたり、川が見事な濁流だったり、ちょっと怪しい雰囲気に……。
でも天候は我々に味方してくれました。
1度は薄暗い曇り空になったものの、ホテルに近づくにつれまた見事に晴れ。
普段の行いは大事です。
- ※1 ドラキュラ関連で見るとしたら、ジョナサンが泊まったホテルと同名のホテル「コロアナ・デ・アール(Coroana de Aur)」というホテルはあります。
ドラキュラホテル [Web拍手]
17時40分、ドラキュラホテルに到着。(某あいのり※1でも一行が宿泊していたあそこです。)
うわーい、ドラキュラホテルだー!
改装中だぁ~!?
……しょんぼり。
いや、泊まれるんだから嬉しいんですけど、外観の写真がコレでは……ううっ、なんてこったい。
ホテル前にはやはり犬。どこに行っても犬がいますねルーマニア。
駐車場にはかなりの数の車。観光バスも。
自分で撮っておいて何ですが、後から見てみたら旗ではなく串刺し死体付の串が並んでるようにしか見えてしょうがないです、この写真……。
19時、ホテルのレストランで夕食。
とにかく人が多い。この付近には観光で見るような場所は全くありません。冬場ならスキーが出来るらしいですが、夏だとそれも無し。
今このホテルにいる人みんなドラキュラネタのためだけに来てるってわけです。
観光バスもあったからツアーに組み込まれてるというのもあるんでしょうが、何にせよドラキュラ目的。
ちなみにこのホテル、『吸血鬼ドラキュラ』の記述に沿った場所に建てられたという代物。
つまり、特に歴史も何にも無い、ただただひたすらドラキュラファンのためだけのホテル。
このホテルだけで観光客をここまで呼び込んでいるんだから凄いものです。
メニューはやっぱり肉中心。肉しかないのかと思うくらいに肉肉肉。美味いからいいんですけどね。
確かここでパパナシも食べました。
ルーマニア来てから食べてるもののカロリー計算したら凹みそうですが、美味いからいいのです。
「そうそう、洪水の影響で明日泊まる予定のホテルの水道管が壊れて水が出なくなっちゃったよ。だからダウンタウンのホテルに変更! 4ツ星だから安心してね!」
そりゃ……泊まれるところが確保できたならどこでもいいです。むしろ3ツ星の予定が4ツ星に上がってるじゃないですかそれ。
「あとヴォロネツからスチャヴァへ行く道の橋が洪水で壊れたから、スチャヴァ行けないかも!」
待てそれはホテル変更より大問題じゃ!? スチャヴァ経由しないとブカレストに戻るの大変なことになるのでは……。
相棒と2人で夕食の前後にうろうろと館内を探検。
菊地秀行の旅行記を読んでいると、部屋の内装が黒と赤だったとか、レストランのウェイトレスは屍衣姿で出てくるとか、相当面白おかしいホテルだったようですが……今は至って普通。
一部狙いすぎな装飾品などもありましたが、全体的には本当に普通のホテルです。
部屋も鏡台の隅に「D」を模ったホテルのマークが掘り込まれていたりはしますが、特に変わったところはありません。
それはもう残念なくらいに……。
明日・明後日の道程を心配しつつ、22時就寝。果たして無事にスチャヴァにたどり着けるのか。
- ※1 フジ系列で放映中の(以下略) ルーマニアの説明はテキトー極まりない上に旅の順序とか切り貼りしてねーか?って気がしなくもない旅程だったりするので、まぁフィクションとして楽しみましょう。
ドラキュラホテル番外編:出たー!? [Web拍手]
旅の疲れに大爆睡していた夜中、「ソレ」は現れました。
時間は午前3時。辺りは物音一つ無い静けさ。
ふと何かの気配を感じて目覚めると、部屋の真ん中にぽつんと小さな明かり、そしてうっすらと人影。
視力0.05乱視入りド近眼の私は、就寝時は眼鏡を外しているので視界が極端に悪いのです。
あ~何か探し物かな相棒。部屋の電気付ければいいのに私が起きないように気を利かせてペンライト?
てっきりそう思って相棒の名前を呼んでみるも明かりは動かず消えず。
数回名前を呼んだ後でアレレ? とようやく違和感に気付きそっと頭上のベッドを伺ってみると……
相棒ちゃんとベッドで寝てる。
?
???
???!?!?
じゃあそこにいるの誰さー!?
1.目の錯覚
2.吸血鬼
3.吸血鬼に扮したホテルの従業員ドッキリ企画
4.幽霊
5.泥棒
さぁどれだ。
1にしてはしっかり見えたぞ。2なら大歓迎だがそんな訳ない。3なら気の利きすぎた企画だ! 4は正直別にどうでもいい。
一番いやな選択肢は5だな。
うわーん私の馬鹿迂闊に声かけちゃったよ!
こそっと見たらまだいるし! やっぱり1じゃないっ。 5だったらマジ洒落にならねぇ!
ずっとガイド付きで観光してるから全然危ない目には遭ってないけど、ルーマニアって治安良くないところは良くないし、スリも偽警官も出るっていうし、ここは日本じゃないんだから銃刀法とか言ってらんなそうだし!
とりあえず寝たフリ。
息を殺して部屋の中の気配を集中していると、位置が動くのが何となく伝わってきます。
そして微かな気配は扉へと向かい消滅。
10秒くらいそのまま待ってからようやく相棒に声をかけ直しました。・゜・(ノД`)・゜・。
部屋の中に人がいた! 部屋の中に人がー!
と大主張する私に相棒は不思議がりつつも電気をつけて部屋探索。
窓は工事中のせいでビニールが張ってあって出入り不可能。
廊下に続く扉は鍵が掛かったまま。しかもこの鍵2周回して締める鍵。さらには扉自体が開けると必ず絨毯を擦るのでその音がする。
勿論風呂場も空っぽ。
結論として「部屋の中には誰もいないしいなかった」ということになりました。
あの人影はどこへ消えたのでしょうか。
そもそも誰だったのか。何だったのか。
どうせ出るなら吸血鬼が良かったです。
あ、ちなみに男でした。