† 吸血鬼幻想 ドラキュラ王国へ
ドラキュラ伝説の地、トランシルヴァニア。
果たして吸血鬼は実在するのか? モデルとなった苛酷な領主と、墓から出てくる吸血ゾンビの面影を求めて、ドラキュラホテルの棺に入り、儀式を行う魔女に会い、恐れを知らぬ旅は続く……。
当代きっての超人気伝奇作家が描くユーモア旅行記。
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ドラキュラ伝説の地、トランシルヴァニア。
果たして吸血鬼は実在するのか? モデルとなった苛酷な領主と、墓から出てくる吸血ゾンビの面影を求めて、ドラキュラホテルの棺に入り、儀式を行う魔女に会い、恐れを知らぬ旅は続く……。
当代きっての超人気伝奇作家が描くユーモア旅行記。
したはずなのにもう記憶の彼方だわ。と思っていたら、もう5年も前なんですね。
「小説や映画の吸血鬼ドラキュラには、大いにどころか、死ぬまで興味が尽きないものであるが、そのモデルになった人物には、あまり――どころか、一切関心がないのである」
としょっぱなから宣言する筆者、菊地秀行。
それでもルーマニアを吸血鬼という一面から巡る旅行記は貴重です。しかもNHKの取材旅行ですから、押さえるところはしっかり押さえていてハズレ無し。
この本になった元である『世界・わが心の旅 トランシルヴァニア・吸血鬼幻想』は1994年11月放送。なので書かれているのはその当時のルーマニアの風景。
私も2005年の夏にルーマニアへ旅行したのですが、大分変わっているところもあれば、あぁ確かにこんな感じだったなというところもあり。
発売当時は「へ~」と思いながら読んだ記憶だけは残っています。
ルーマニア&ヴラド公に必要以上の憧れのない菊地秀行氏だからこそ、神聖化も何もあったものではないぶっちゃけた取材裏話がテンコ盛り。
時々挿入される白黒の、お世辞にも見やすいとは言えない写真だけではイメージが湧かなかったんだろうなぁ、あの頃の私。番組も見ていませんし。今思えば、それが内容の大部分を忘れ去ってしまった原因だったのかも。
しかし! いざ自分が体験した後に再読してみたらこれがまた面白い。
今はネットでちょっと調べれば、画像や説明がばかすか出てきますから、そういう資料とつき合わせながら読むのも楽しいのではないでしょうか。
むしろ、旅行の準備中に読めば調べ物が減ったんじゃないのコレ? というある意味真っ当な、そして自分にとってちょっと虚しい感想も覚えました。
どこにしまっているのかわからなかったのが敗因ってヤツです。やはり本はいつでも好きな時に取り出して読めるようにしておくのが一番です。
僭越ながら私も旅行記を公開中です。