吸血鬼の手帖

吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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† 屍鬼7

原作:小野不由美
作者:藤崎竜
発売:集英社 ジャンプコミックス
初版:2010年02月09日
価格:438
頁数:203
 屍鬼の脅威に晒された外場村。非日常と化した現実から目を背ける村人に対し、医師・尾崎は一人それに抗う術を模索する。
 そこへある男が手を差し延べ、孤独に苛まれていた尾崎は歓喜に震える。
 その男の名は――。
 ぅあれ~……?
 …………。
 残念。
 6巻最後でまさかー!? となったけどそのまさかでした。

 夏野は起き上がらないからいいんじゃないか……夏野が起き上がったら徹ちゃんどうすんの……。
 漫画化するにあたって、ある程度アレンジ必須なのは理解できますよ。
 理解できますけどね。
 アレンジって、幹の部分があってこそのアレンジだと思うんですよね。
 例えば、登場人物が過剰にコミカルなのは原作の話の暗さとジャンプSQの読者層のバランスなのかなとか、場面の省略順序入れ替えはスピード感が必要なのかな(正直原作の前半は辛いですし!)とか、ね。納得できます。無論好みは分かれるでしょうが。
 でも、「起き上がる」か「起き上がらない」かって、些末な部分じゃないだろうこれは。
 しかも主要登場人物ならなおさら。
 夏野の死はストーリーの根幹部分じゃなかったのか。

 尾崎と起き上がった夏野で連携ってそれどうなのさ!?
 ぶっちゃけ、自分だってそんな連携は見てみたかったさ!! ああ、見てみたかったさ!!!
 原作を読んだ人で、読んでいる最中に「(生きている)夏野+子供連合と尾崎で協力関係になったりするのかな」なんてその後の展開を予想、妄想、希望的観測した人は少なくないと思う。
 『屍鬼』の元ネタになっている『呪われた町』を読んでいればなおさら。
 きっと夏野は最後まで頑張るに違いない、そんなほんのりとした希望を、あっけなく裏切られた瞬間のあのショック。
 死は誰にでも、それこそ物語のヒーローにでも訪れる。
 それは突然で、理不尽で、だからこそ平等なのに。
 それを捨ててしまったら、ただのご都合主義だ。
 物語の重みが違いすぎるだろう……。

 活躍する夏野の姿を見たいと願うのは自然だけれど、それをやっていいのは二次創作同人までだと思う。

 段々と『封神演義』みたいな脱線の仕方をするんじゃないかと心配になってきたよ。
 なんだろう、やっぱり「ジャンプ的な理不尽さ」で、「作品の中にある理不尽な出来事」を許さない流れですか。ヒーローは常に格好よく活躍しなければならぬ! 努力友情勝利! みたいな。

 この脚色だけはやらずにいてくれると期待していただけに大ショックすぎですorz
 ここまでやってくれちゃうと、最後で静信が屍鬼になるとかそんなオチもありえそうですごく怖い



 勢いでここまで書いた。
 読み返したら異様に長かったけど気にしない。

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