吸血鬼の手帖

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† 少年伯爵は月光を纏う

作者:流星香
イラスト:おおきぼん太
発売:角川書店 角川ビーンズ文庫
初版:2009年08月01日
価格:457
頁数:219
「最初から『怪物』なんて、存在しなかったかもしれない」
 少年伯爵ベルナルド達はついに怪物の正体へと辿りつく。しかしそれはあまりにも衝撃的な答えだった。
 ベルナルドはその禁忌の実験を援助していたジョシュア王子と対峙するため、レオニール達は町に溢れる怪物達を止めるため、それぞれ炎上する研究所へと向かうのだが!?
 美少年伯爵と凄腕軍人の最強主従コンビが贈る、ヴァンパイア・ファンタジー感動の完結巻。
 オレはようやく登りはじめたばかりだからな。このはてしなく遠い男坂をよ……

 と思わず呟く。
 男キャラばっかりだからあながち間違ってないよね。ね!(大間違いです)

 あとがき読んでいて「???」となり、裏表紙のあらすじを見たら「完結!」って書いてあって噴いた。
 これ、予定通りの展開なの? 書きたいこと全部書いて完結? そんなことないよね? ハニーデュークの見せ場も悪徳神父の見せ場ももっといろいろ頭の中に準備してたよね? きっとアンドリューももっと活躍予定だったよね? むしろこれから大暴れするんだったんだよね?
 これが予定通りだったらもうどうしていいのかわからない。

 皮肉なことに、シリーズ中一番面白かったです。
 特に後半駆け足で、何なんだこのすっ飛ばしっぷりはと思いましたが、完結ならば仕方無い。
 むしろ完結のために詰め込んで全体的にスピードアップしたから、余計な部分がなくて面白かったのかな……。
 相変わらず、キャラのわざとらしさは気になりましたけど。

 シリーズ通して吸血シーンもコンスタントにあったし、吸血鬼が薔薇の花を枯らしたりなんだりと、それなりにお約束の部分は押さえていたし……
 やはり、キャラが陶酔(orキャラに陶酔)しすぎた文章がマイナスだったんだよ……そうに違いないよ……。

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