吸血鬼の手帖

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† 白薔薇と吸血鬼

作者:倉世春
イラスト:蘭蒼史
発売:集英社 コバルト文庫
初版:2009年03月10日
価格:457
頁数:219
 吸血鬼と噂されるノイシュガットの女伯爵、フロリアン。忠実な召使マイアは、彼女が要求する若くて美しい男を捜していた。そこへ現れたのは、ギーゼン公領の公子カディス。噂の真偽を確かめるためにフロリアンに会いにきたカディスだったが、彼女が本当に吸血鬼ならば結婚したいと考えていたのだ。何も知らないマイアは、フロリアンを喜ばせるためにカディスを城へ案内したのだが……。
 しょっぱなからバートリーの血風呂という使い古されたネタ、と思わせておいて、そこそこ上手いこと違う方向へ持っていったなぁという。
 しかもきちんとそのネタをやる理由付けが作ってあるところは好印象でした。
 ラブコメというか乙女ちっくなのが好きなら普通に楽しめるかと。

 が。
 全体を通して、若い。
 とにかく、若い。
 そして最後にあとがきの若さに、遠い目になってしまう。
 多分、狙ってこういう作風なんでしょうけど、とにかく青い春! ってオーラがびしばし出ています。
 コバルト文庫っていうともうちょっとヒネている部分があるイメージで、どちらかというとこの若さはティーンズハート?
 しかし自分がこの手のレーベルをガンガン読んでいたのなんて何年前だよっていう話なので、今となっては印象に残っていないだけでこういう方向もたくさんあったのかも……。

 重箱の隅をつつくのもどうかと思いますが、読んでいて「え?」と思うところが何か所かありました。
 城の住人の行動をそういう風に説明するのであれば、女主人付きのメイドさんもそれで済ませれば良かったんじゃない? ヒロイン以外には務まらないんだという描写をしたかったのはわかるけど、それやっちゃえばヒロイン以外でもできるよね? とか。

 それに加えて、頭の良いであろうキャラクターの頭がいまいち良く見えないというのはよろしくない。
 これが一番引っかかったところかも。
 文武両道地位有り美形キャラって難しいよね。うん。

 対象年齢低めと割り切れるかどうかが分かれ目かな。

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