吸血鬼の手帖

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† ヴァンパイア執事-お嬢様と血の密約-

作者:入皐
イラスト:池上紗京
発売:一迅社 一迅社文庫アイリス
初版:2009年03月01日
価格:590
頁数:270
 太陽信仰シラーレ教を信仰するシシリア公国。
 浄化の光をその手に宿す聖少女・レイラには、周囲には明かせない禁断の秘密があった。
 レイラの執事・ダリウスは日の光の下でも生きられる吸血鬼で、レイラはダリウスに自らの血を与えていたのだ。
 そんなある日、レイラとダリウスは吸血鬼による殺人現場に遭遇し、そこにいた女吸血鬼を頃してしまうが……。
 血と愛の密約で結ばれた、禁断の主従関係の行方は? ヴァンパイア・ラブロマン開演!!
 タイトルに一体どんな内容なんだろうと戦々恐々しましたが、割と普通でした。良い意味で。

 甘酸っぱい。
 お嬢様と執事、立場を越えた恋心。
 片や聖なる力を持った少女、片や変わり種なりかけ吸血鬼。
 しかもお互い自覚低め。
 乙女の夢キラキラ~★
 って感じです。
 世の執事ブーム(?)に乗っかった感。
 面白い面白くないとは別の部分で、読んでいてむず痒いタイプでした。

 聖少女の条件って今のところ「聖なる日に生まれた」ってことくらいしか記述がなくて、それだったらもっと大量に存在してもおかしくないような気がするんですが、この世界って1年が何日で人口がどのくらいなのやら。
 吸血鬼も、「血族」と「血従」にわかれていて、前者は根っからの吸血鬼、後者は前者によって作られたいわゆる従僕というのはわかりやすいんですが、前者はどうやって生まれてくるのかとか、そういった部分がまだ明かされていません。
 血縁に関する記述がちょこっとあるところを見るに、人間が成り上がる(あるいは成り下がる)存在ではなく、人間とはちょっと違う種族という扱いなのか。

 これだぁ! ってツボにハマるキャラに出会えなかったですが、続きはちょっと気になります。
 人間に戻るなんてそんな方向にはいかないで欲しいなぁ。
 安直なハッピーエンドは嫌だっていうわけではなくて、異種族間の方が萌えなだけなんですけど。

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