吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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| 月刊ぱふ 2008年8月号 »
作者:木村航
イラスト:芳住和之
発売:メディアファクトリー MF文庫J
初版:2008年07月31日
価格:580
頁数:261
ジェシカに導かれるようにして、都市の内部で自らの主人・ヘルマの秘密に迫るエドガー。新たな事実を目の当たりにするたびに、自らの信念への迷いが生まれていく。
一方、双子の内の一人・オフェーリアを手中にしたヘルマは、《泉》の秘密を手に入れるべく画策していた。その企みを阻止しようと歳の奥底でヘルマと対峙したジェシカは《刈り入れ》を宣言する。
絶対の淘汰圧力の中で明らかになる、《泉》の秘密、そして汎不死社会を創り出した、《詩人ウィリアム》の目的とは――。
実力派の著者が贈る渾身の異世界ファンタジー第二弾!
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この一言につきる世界観。
1巻では優柔不断で鬱陶しかったエドガーが、2巻になったら臨界点を越えて熱血で鬱陶しい馬鹿にクラスチェンジ!
ヘルマも単純な悪役かと思いきや、意外と一筋縄ではいかないキャラでした。
作者の脳内に溢れているであろう設定がちらちらと見え隠れするまま進むストーリーは、全体的にわかり辛い。
単純に表現すれば「ボーイ・ミーツ・ガール」なんですが、その一言じゃ収まらない。
エドガーが発言しているのはあくまでも汎不死社会についてなんだけど、これって現実でもそうだよね。
みたいな感じでつい作者の意図を探ってしまう。
深読みしようと思えばいくらでも深読み可能っぽくて、そこが面白いところだと思う。
読んでスッキリ! ってタイプの話では無いので、爽快感を求める人には向かなさそうです。
その一方で読者サービス満載。この世界観で読者サービスされると違和感あるよ! ってくらいに豪快にサービスしてくれます。
吸血はSexのメタファーであるとはよく言いますが、そういう視点から見ると急にエロ小説に!
……そういう視点から見なくてもエロかも。
あとがきを見ると続きは考えてあるみたいだけど、このまま終わっても不思議じゃない。内容的な区切りの意味でも、出版社の判断的な意味でも。
「続きが出たよ」
と言われたら「おお、出たんだ」と思うだろうし、
「2巻で完結だよ」
と言われたら「ああそうか」と納得できる。そんな終わり方してます。