吸血鬼の手帖

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† リミテッド・ヴァンパイア1-髪喰鬼と吸血鬼-

作者:仁木健
イラスト:中島鯛
発売:角川書店 角川スニーカー文庫
初版:2008年07月01日
価格:590
頁数:310
 目の前に少女が墜ちてきた。壮絶な空腹音とともに――。
 そう、真端由自の平凡な日常はこうして終わりを告げた。少女の名は文月文。人の血、ではなく髪を糧とし生きる髪喰鬼だという。
 美少女との突然の出逢いに、勝手に運命を感じる由自。だが、文が彼にもたらしたものは運命ではなく、封印された“吸血鬼”たちとの、人類の想像をはるかに超越した戦い、だった――。
『Add』シリーズの仁木健が描く、新たなヴァンパイア・サーガ。
 変化球にも程があるだろ。
 変化球投げているつもりでルール違反の暴投をしているくらいの斜め上っぷりですよ。

 とにかく中二病全開。多分、狙って全開にしている雰囲気。
 目新しいものは特に無いんだけど、ステレオタイプな設定の使い方とタイミングは悪くないかも。
 でもこういうネタって10年後に読んで面白いか? って点がなぁ。
 特に、ヲタク特有の(元ネタのある)「言い回し」「決め台詞」、果たしていつまで賞味期限が持つのか。
 こういうタイプのラノベで10年後を考えても仕方ないのかもしれませんけど。

 で、最初から最後まで主人公の煩悩暴走っぷりが凄くて、ストーリーをぶっ飛ばす、いや、ぶっ壊す勢いです。
 いくらラノベとはいえ、ありえないだろこの性格設定は!
 と思うのに、なんだろうこの既視感。

 ……。

 思い出した。

 なんという横島忠夫。
 わかる人はこれでわかるよね。わからない人は若いってことで。

 そう思ってストーリーを振り返ると、見事なまでにパロってる気がするぞ。
 煩悩パワーで才能覚醒するあたりとか、ツンデレ美女にこき使われているところとか。
 ……急に主人公が可愛く思えてきた。

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