吸血鬼の手帖

吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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† モンスターズ・イン・パラダイス3

作者:縞田理理
イラスト:山田睦月
発売:新書館 ウィングス文庫
初版:2008年03月25日
価格:640
頁数:335
 姿を消したカートを連れ戻しに、彼の実家へやってきたジョエル。
 そこは吸血鬼たちの楽園、吸血鬼だけを集めた娼館だった。
 妓たちの数々の妨害を乗り越えカートと再会するジョエルだが、カートは一向にジョエルの説得を聞き入れてくれない。
 彼の心には、ジョエルに牙を立てようとした自分への深い後悔と拭いがたい恐怖があったのだ――…。
 そんな膠着状態の中、カートの父親クラウスが現れ!?

 《神話的人類》と人間、すべての存在にとっての真の楽園とは?
 ミラクル・モンスターワールド、堂々の完結!!
収録
1.血は熱く流れる
2.サークル・サウスの昼と夜
 あ~、やっぱりカートの“ウェステンラ”って名前はアレだったのね! て、ウィルヘルミナもいるし。
 読みながら出てくる名前でニヤニヤできるのが楽しい。
 名前だけでなくてシチュエーションもそうなんだけど。
 読んでいてニヤニヤが止まらない。
 終始ニヤニヤしっぱなし。
 そして最後の方でホロリ。

 大団円という言葉が相応しい良い終わり方でした。
 世界観設定からするとまだまだいろいろ書けただろうし、全5巻くらいでも余裕でいけたんじゃないかと思いますが、その辺は多分大人の事情って奴なんだろうなぁ。
 このシリーズって、吸血鬼物……モンスター物という広い括りの方の方が適格か? 過去の色々な作品を読んだり見たりしていればいるほど楽しめるものだと思います。
 裏を返せば、ホラー、ゴシック系作品に触れた経験が少なければ少ないほど、楽しめる場面が減ってしまう、と。
 オマージュと言えばいいのかな、名前や場面のこういう遊び心は元ネタを知らないと楽しめない。むしろ気付くことさえできないわけで、今までこういったジャンルに興味の無かった人がたまたま手に取ったとしたら……どういう感想になるんだろう?
「全然面白くなかった」という人がもしいたら、古典を読んでからもう一度この本を読んでみて欲しいです。
 とりあえずブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』は外せないぞ。

 あとがきに「機会があったらまた彼らの物語を~」と書かれていたので叫んでみます。
 是非外伝を!
 ちょろりと触れられていた「出し切れなかった設定」、きちんと読みたいよー。

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コメント

悠貴さまもモンスターズの3巻、早速お読みになったんですね!!私も発売日の翌日に読みました。
元ネタのある記述の部分…私自身は、作者さんが後書きで書いてある部分は読んでいて分かったのですが、それ以外は分からなかったので、元ネタがある記述がたくさんあるとしたら損してますね…(^_^;)
でも面白かったです。私は、とても繊細でひねくれている吸血鬼カートのキャラクターや、吸血鬼と人間といった種族の違うコンビ物、という部分に燃えて読んでました。

元ネタ有りか!? と思ったので一番記憶に残っているのは
「ワニの餌」かな。吸血鬼をワニの餌でVC思い出しました(笑)

吸血鬼を含め、神話的人類が都合の良い存在ではないところが凄く面白かったです。
弱味のあるキャラに萌える性質で。ヒャッホーイ!

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