吸血鬼の手帖

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† サンシャイン&ヴァンパイア(下)

原題:Sunshine
作者:ロビン・マッキンリイ(Robin MacKinley)
訳者:藤井喜美枝
表紙:藤川純一
発売:扶桑社 扶桑社ミステリー
初版:2007年11月30日
原語版初版:2003
価格:905
頁数:479
 夜の湖畔で、サンシャインはヴァンパイア集団に拉致されてしまう。気がつくと、古びた屋敷で、あるヴァンパイアと同じ鎖につながれていた。彼女は、餌として連れてこられたのだ。まさに絶体絶命――だが、相手は予想外の態度を取り、彼女はヴァンパイアとありえない関係におちいっていく。
 そして、サンシャインが長年封印してきた力を目ざめさせる時がきた。自分の血に流れる、神秘の力を!
 ……斬新な世界観を圧倒的な語り口で描きだし、斯界の絶賛を集めたアーバン・ダーク・ファンタジー。
 SFっぽいファンタジー? と書くとSF者に「どこがSFだ!」とか怒られそうですが。電脳世界を通路にしちゃうあたり、ファンタジーらしいファンタジーとはちょっと違うかなぁと。良い言葉がみつからない。

 吸血鬼がすごくいい。特に高齢吸血鬼の人間っぽくないところが素敵ですよ。
 人間っぽくないといっても、冷酷非道さがどうのというのではなくて(いえ、実際冷酷非道な捕食者側なんですが)、勧められた飲み物が一瞬で消えていたりするあたりとか、人間が物事に対し何を感じどう考えるのか本気でわからなくて困って(?)いるところとか。
 特に後者は「外見は人間と似てはいるけれども決して相容れない」って感じで得体が知れなくて良かったです。
 そんな吸血鬼が成り行きとはいえ人間の少女とつるむ事になって、わからないなりに努力しているところとか! 可愛いよコニー!!
 危ういバランスで成り立つ共存は永遠のテーマです。大好きだ。

 上巻から散々匂わすだけ匂わしてきたサンシャインの父親の正体と細かい設定は、結局下巻でもあいまいなままで、これ続編出るの? と気になります。
 あとがき見るにまだ本国でも出ていないっぽい?
 出たら是非翻訳して欲しいです。

 ブックカバーかけて読んでいたので読み終わるまで気づかなかったけど、表紙って並べると作中に出てくるあの柄なんですね。

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