吸血鬼の手帖

吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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† 夜想#ヴァンパイア

発売:ストゥディオ・パラボリカ
初版:2007年11月11日
価格:1,500
頁数:200
 新・吸血鬼の世紀が今、幕を開ける。
『夜想』公式サイトより
 どこを開いても吸血鬼! いいわぁ~。

 小説、映画、舞台、写真、絵画、人形……どっちを向いても吸血鬼。
 資料写真もかなりの数。
 カバー範囲の広さゆえに、どうしても「広く浅く」と言いますか、さらっとした紹介or裏話的な要素が強いように感じました。
(ベラ・ルゴシはニューヨークに渡った時点では英語が話せなかったので台詞を音として覚えた、とか。知らなかった。凄いやベラ・ルゴシ)
 吸血鬼に対する解説部分もあれば、裏話暴露合戦の様相を呈しているインタビュー記事もあり。全部通して読むと、ベクトルがあっち向いたりこっち向いたり忙しく感じるくらいです。柿沼瑛子女史の腐女子っぷりとか凄いですよ。
 なので、小説の資料だけ欲しいとか、映画の歴史だけ知りたいとか、ピンポイントに求めるものがあるなら別の資料をあたった方が詳しいです。
 入門書向きではない感じ。
 情報の範囲、情報の新しさ、資料としては手頃な価格、と三拍子揃っていますが……なんていうか、裏道?

 難点を挙げるとすれば、インタビュー内で前置きなくいろんな作品のストーリーの重要部分だとかオチだとかが直球で書かれている事でしょうか。
 個々の作品紹介ページなら未見のものは念のため読み飛ばすって事も可能なんですが、インタビュー内なのが。
「××は最後死んじゃう」というような書かれ方でポロッと出てくるので、見たくない人は何とかして読み飛ばしてください。って無理?

 東雅夫の「吸血鬼文学名作百選」は『SFマガジン1997年11月号』に掲載された「吸血鬼小説タイプ別完全ガイド」200篇をさらに厳選して100篇に絞ったものだそうです。特定のタイプの作品を10篇ずつピックアップしていく形式。
 タイプ別にお薦めを紹介しているので、これから読んでみたい本を探す指針になります。
 ちなみに、SFマガジンと今回の夜想ではタイプ分けの項目名自体大分変わっていますが、同じ項目名であっても選ばれている作品が違っています。
 例えば【陰鬱な美青年】では
 SFマガジン→
 『断章』『吸血鬼』『アポリネール傑作短編集』『ヴァンパイア・レスタト』『フィーヴァードリーム』『ロスト・ソウルズ』『ダークエンジェル』『森の彼方の地』『ルチフェロ』
 夜想→
 『断章』『吸血鬼』『ラテン系ユダヤ人』『ヴァンパイア・レスタト』『フィーヴァードリーム』『ロスト・ソウルズ』『ダークエンジェル』『真紅の呪縛』『血のピアス』『吸血鬼ハンター“D”』
 といった具合です。
 それにしても……試しに数えてみたら100篇中、半分くらいしか読んでいませんでした。積読の処理を心に誓う瞬間ですorz
 いや、でも、その前に紹介されてるもので持ってない作品をどうにかして入手(以下積読へループ)

 吸血鬼関係の資料って比較的品切れ・絶版になりやすい(気がする)ので、新刊として手に入りやすいうちに是非どうぞ。


 出版に合わせて、パラボリカ・ビズにて『夜想 ヴァンパイア展』が開催されています。(現時点でpart1が終了)
part1 丸尾末弘+夜想ヴァンパイア・セレクション展
part2 山本カタト展
・part3 小島文美展
・part4 恋月姫+野波浩展
 『夜想#ゴス』『夜想#ヴァンパイア』掲載作品の原画展示やポスターの展示など。
 片っ端から強奪したかった。

 『夜想#ヴァンパイア』公式ページ
 

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