吸血鬼の手帖

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† 吸血鬼ジュヌヴィエーヴ

原題:The Vampire Genevieve
作者:ジャック・ヨーヴィル(Jack Yeovil)
訳者:藤沢涼/小林尚海/朝月千晶
表紙:クリステル・スヴェーン
発売:ホビージャパン HJ文庫G
初版:2007年10月01日
原語版初版:
価格:850
頁数:395
 ドラッケンフェルズ城での惨劇を生き延びたジュヌヴィエーヴとデトレフは、互いに特別な絆を感じていた。人間と吸血鬼という奇妙な組合せではあっても、幸せな生活を楽しんでいたのだ。
 とはいえ、ジュヌヴィエーヴはドラッケンフェルズ城の事件の後、しだいに人間の闇の部分へと惹きつけられていくデトレフに不安を感じてもいた。
 デトレフの新作劇は初演から大喝采を浴びることとなったが、昏く深き闇からの使者が、ひそやかに、だがすぐそこにまで迫っていた…。
収録
1.第一部:流血劇
2.第二部:永遠の闇の家
3.第三部:ユニコーンの角
 あとがきによると、今回同時発売の『ドラッケンフェルズ』『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』『ベルベットビースト』は、時系列順に並べ替えると『ドラッケンフェルズ』→『ベルベットビースト』→『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』らしいです。
 が、ウォーハンマーノベルシリーズとして振られている番号だと『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』が「2」になっているので、そのまま素直にこちらを読んでみました。

 『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』第一部~第三部までは一応時系列順に並んでいるものの、話の内容そのものはあまり繋がっていません。独立して読めます。
 ただし、第一部の「流血劇」だけは、『ドラッケンフェルズ』から思い切り繋がっているので、素直にそっちを先に読みましょう。是非。

 読み始めていきなりキム・ニューマン(ジャック・ヨーヴィル)だなぁと思わされました。
 キム・ニューマン名義の『ドラキュラ紀元』シリーズを読んだことのある人ならわかると思いますが、古今東西の有名(無名なのでも)作品の登場人物を引っ張ってくるのが上手いです。
 今回はしょっぱなからオペラ座の怪人のパロディ。“オペラ座の幽霊”ならぬ“落とし戸の悪魔”ですよ。演目は演目で「ジークヒル博士とカイダ氏」だし。
 第二部の「永遠の闇の家」もあちこちから引っ張ってきているようです。あとがきで解説されています。寡聞にして私は読んだ事の無い作品ばかりでしたが……。

 個人的に『ドラッケンフェルズ』には及ばなかったです。
 第二部がちょーーーーーっと読み辛かったです。内容もさることながら文体が。
 ラストネームとファーストネームをバラバラに呼び合わないでくれと! 名前覚えるの苦手なんだから!! 何回登場人物一覧見直せというのだ!!!
 と文句を言いつつ、第一部が好みだったので★4つで。
 さてと、次は『ベルベットビースト』読むか……。

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