† ソラにウサギがのぼるころ-twilight moon rabbit-
「とある事情」により親元を離れ一人暮らしをしている霧村聖司は、彼をモノにしようと強引に迫ってくるクラスメイトの冬木陽子をはじめ、悪友や美少女たちに囲まれながら、それでもどうにか「ごく普通の日常」を送っていた。
そんな彼の前に突然、ドレス姿の女の子が降ってくる。幼くも美しい、ユウと名乗る自称「吸血鬼」の彼女は、千年前に死に別れた恋人の転生を探しているという。ただの妄想かと思いきや、ユウを連れ戻そうと謎のウサギ執事や腹黒メイドまでやってきて、聖司の日常は否応なしに「非日常〈ラブコメ〉」へと塗り替えられていく――。
平坂読が贈るストレンジ・トライアングル・ラブコメディ、ここに開幕!
いかにラノベとはいえ……最近はこういう文体もOKなんですか? 何かこう、テキストサイトとかblogとか、そういう場所で書き散らされた、何らかの作品のファンによる二次創作のような、ノリとイキオイとそしてありったけの萌えだけを詰め込んだ文章って感じがしてならないのですが。
文字サイズで小声を表すとかもうフォントタグですかって気分。
軽いノリが駄目とはこれっぽっちも思っていない私ですが(B級大好きだし)、何だかこの文体には眩暈がしました。
前半は本当にくだらないと思う。
実にくだらない。
そのくだらなさを乗り越えればそこそこ楽しめる、かも。でも乗り越えるまでが正直キツイ。
第1章の最後辺りで出てくるこの作品の世界設定が明かされるまでがキツイ。
そこにたどり着いた後も文体に萎えかける心を奮い立たせるのがツライ。
プロットの根幹はなかなか面白いとは思うんだけど、いかんせん小説とは読んで想像するものなのであります。気持ちよく読める文章にはそれぞれ個体差があり、私にはこの文章を紙&活字で読むのはあまり合わなかったって事でしょう。
多分、Web小説で見かけたんだったらもうちょい楽しめたんじゃなかろうか。
あるいはプロットをそのままに固い文体で書かれていたらそれなりの賛辞を贈っていたやもしれず。
読後感では★2つにしたいけれどもプロットに期待して★3つで。読んだ後時間を置いて振り返ってみたらやっぱり★3つは嫌かも……2つに下げました。
あと、下ネタとか腐女子ネタとか結構出てくるんで、そういうの嫌いな人は止めといた方がいいです。
古いギャグ嫌いな人も。
最後のページ、主人公の最後の独白(?)がHELLSINGの少佐の台詞を意識してる気がしてしまったのは少佐に毒されすぎかー!?