吸血鬼の手帖

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† パラケルススの娘3 仮面舞踏会の夜

作者:五代ゆう
イラスト:岸田メル
発売:メディアファクトリー MF文庫J
初版:2006年02月28日
価格:580
頁数:261
 枯れ木のような死体が相次いで発見され、騒然とするロンドン。
 クリスティーナたちは貴族院重鎮のルスヴン卿の仮面舞踏会に招待される。
 自分の気持ちに気付いてくれない遼太郎の態度に傷つきながらも、何人かの男性とダンスを踊った和音だが、遼太郎が目を離した隙に、なぜか和音は東洋人の男性とともに会場を出ていってしまう。
 結界のために和音を見失った遼太郎が、必死の思いで探し当てた部屋にいたのは、顔の半分を仮面で隠した妖艶な貴婦人と、その腕の中で気を失った和音、傍らに佇む東洋人の青年だった!
 華麗な文章で世を魅了する大好評マジェスティックファンタジー第三弾!!
 何この吸血鬼ネタ満載っぷり。
 冒頭から『吸血鬼カーミラ』の一文が掲げられ、章ごとに引用されているのは『吸血鬼ドラキュラ』の文章。
 全体の流れは『吸血鬼ドラキュラ』を意識していること間違いなし。そういやデメテル号も出てきたなぁ。
 「子」には「ゲット」とふりがなが振られ、「親」は「血親」と表記され。
 敵御大は吸血鬼好きならまぁ絶対知っているであろうあのお方だし。
 “ルスヴン卿”“カルンシュタイン伯爵”“ミラーカ”なんて名前がぞろぞろ登場。三文小説として『吸血鬼ヴァーニー』までちょろりと登場。
 逆に言うと、引っ張られてきている吸血鬼関連の元ネタを知らないと、この本の愉しさは5割減くらいの勢いですよ。

 ライトノベルとしては普通かもしれませんが、吸血鬼好き観点から読むと好印象。

 惜しむらくは挿絵がな、軽いんだよな。他の巻ではそこまで気にならなかったけど、この巻ではさすがになぁ。あの文章表現に対してこの挿絵のアッサリっぷりはちょい萎え。
 ドレスとか全然ドレスに見えな~い。嵩張るからって広めの馬車を呼ぶくらいのドレスが、挿絵にしたらあの絵になるのは納得できません。
 あんなんじゃ昨今のゴスロリ娘のスカートのボリュームにも負けてますわよ!
 ……ま、ラノベだからね。うん。

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