吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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作者:あざの耕平
イラスト:草河遊也
発売:富士見書房 富士見ファンタジア文庫
初版:2006年02月25日
価格:580
頁数:312
……いい奴、なのに。
夕暮れ時の繁華街に佇む、人の手に血を染めた吸血鬼。その姿を見つめて、ミミコは思う。彼は同胞をかばっただけ。
――なのに、なぜ、こんなことに?
存在しないはずの“第11地区”の噂。そして実在した“九龍王の遺灰”。二つの要素が『カンパニー』と協定血族の関係に影を落とす中、吸血鬼の存在が公になる事件が発生した――。人間と吸血鬼の共存は理想でしかないのか? それとも『九龍の血統』の陰謀なのか? 不穏な風が吹く特区で、誰もが自分の道を探し迷走する。そして、調停員・葛城ミミコにも選択の時が迫っていた……。
望月兄弟の特区上陸から1年。運命の孵化が始まる新感覚吸血鬼ストーリー!!
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でも格好良いから無問題! 渋い魅力は重要ですよ! 縁の下の力持ちがいてこそ、華やかな人が活躍できるものです。
そうそう、あとがきで5巻最後部分の盛大なネタバレがあるので、あとがきを先の読むのは危険。
発売日はこちらが先でも、時系列としてはS2の方が先らしいので、そちらを先に読んでも良かったのかも。
3巻の1年後という設定。巻の区切りでポンッと時間が進みますね~。間は短編集の方で補完という形はダレなくて結構良いかも。
個人的に「吸血鬼と人間の共存」っていうのは大好きなテーマです。『フィーヴァードリーム』あたりがその最もたるものなんですが。何ていうか「共存」っていうと「仲良く」という修飾詞が勝手に脳内で補完されてしまうんですが、読んでいて共存って何だろうなぁとちょっと考えさせられてみたり。
確かに人間と動物って一応共存はしているものの、動物側から人間と仲良くしようって意識はない共存ですよね。しかも猛獣だったりすれば、武器無しの人間では単体では到底敵わないわけで。
吸血鬼を動物扱いはどうよっていうのは置いといて、そういう事を考えると九龍の血統側は決して「悪」ではない。こそこそ生きなければいけない理由もない。
九龍の血統は繁殖力の強さが問題ですが、それさえ無ければそんなに無茶な事は言っていない。
読んでて全体的にモヤモヤが多い、そして調停員ミミコの立場が大きく動くひとつの節目みたいな巻でした。