吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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作者:あざの耕平
イラスト:草河遊也
発売:富士見書房 富士見ファンタジア文庫
初版:2005年11月25日
価格:620
頁数:361
やっと見つけた。もう迷わない。己の剣を捧げる相手。共に人生を歩む少女。
だから次郎は――異形の牙をむくアリスに、微笑みかける。
「……私の血が、必要ですか?」
1895年、ロンドン。留学中の大日本帝国海軍少尉・望月次郎は、連続殺人事件の捜査に関わることになる。『7年前に姿を消した切り裂きジャックが、吸血鬼になって戻ってきた』――そう噂される不可解な事件の影には、闇の世界の住人たちも絡んでいた。謎の男装の麗人・カサンドラ。その僕・ケイン。そして、月光の化身のようなアリス・イヴ……。
人間・望月次郎から、吸血鬼・望月ジローへ。これは長い長い闇の歴史における、知られざる一頁。百年の夜の、幕開けの物語。
――その夜、わたしは恋におちた――
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望月次郎が望月ジローになるまでの過去話。
ジローの可愛さに撃ち抜かれました。ジローが好きって人ならきっと萌えるに違いない。
制服(軍服)萌えにも良い一冊。しかし参考文献が『戦う男の制服図鑑』なのはどうなのよ。いや、そういう自分も持ってるんですけど!
舞台は切り裂きジャック事件から7年後の倫敦。
ジローと、アリス、ケイン、そして特区ではすっかり敵になっているカーサの出会いが語られた1冊。
ケインがカーサと一緒に、というよりもカーサの部下として出てくるので変な感じがします。あの偉そうなケインにもこんな時代が! みたいな。新たな萌要素発k……げふげふ。
古い伝統を守る吸血鬼と、時代の波に乗ろうとする吸血鬼のぶつかり合い。
ウォーロック家が勢力を広げていった過程について語られているのですが、これってウォーロック家が取った方法が絶対の正解だったわけではなくて、運の要素も強いんだろうなぁなんて。
昔ながらのやり方にしがみつく吸血鬼も好きです。
で、実在人物・有名人の名前がちょろちょろ使われているので、うまいこと持ってくるなぁと思ったら最後の最後あたりでさらに上手いと思わされました。
実在のXXXはXXXじゃない、というツッコミはいくらでもいれられるんですが、そんなこと言い出したら吸血鬼が実在するパラレルワールドそのものへのツッコミになってしまうのでナンセンスだし。
それにしても次郎可愛すぎる。
この初々しい人間の若造が100年かけてあの青臭い古い血になっていくのね。
正直アリスはどうでも良い。