吸血鬼の手帖

吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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† 裏切りへの贈り物

作者:東原恵実
イラスト:謎古ゆき
発売:講談社 講談社X文庫ホワイトハート
初版:2005年03月05日
価格:630
頁数:307
 没落したエリルアド小王の姫君メイヴェは、侵略者トゥルベク家によって軟禁生活を強いられていた。ある日、突然見張りが姿を消すと、館から脱出し、その足で旅人を騙して町を出て行く計画を立てる。
 しかし、金を奪うためにつかまえた青年は、薄紫色の目を持つ美しい少年の魔物と旅を続ける聖人だった。
 メイヴェは二人を脅迫し、トゥルベク家の者が住む城へ盗みに出かけるが――。
 あーうーえー。
 吸血鬼がメインではないようなあるような。微妙。

 主人公であるはずのメイヴェの性格が良くも悪くも「最悪」なので、それが改善される中盤までは読むのがつらい人もいるかもなぁ。あくどい性格の女の子が大丈夫な人なら、逆に後半でしょんぼりかも。
 展開はかなり早くて、特に後半怒涛の勢い。
 メイヴェに対する好き嫌いが分かれそうという部分以外はサクサク読めます。
「「主人公に好感が持てない」と言われ続けてこれでも改善した」とあとがきにあるのですが、いっそ改善しないほうがクセのある話になって良かったんじゃ……。中途半端に直した感じが拭えないぞ。

 吸血鬼という表記は無く、ディアンという少年が「吸血魔」として出てきます。この世界観に存在する魔物の中で吸血行動を伴う魔物という位置付けなのかな。この巻では魔物はディアンしか出てこないので他にどんな魔物がいるのかわかりません。
 一方、「聖人」ことルーフィス青年ですが、こっちは聖人っていうより単なる天然というか、突き抜けたイイヒトってヤツでしょうか。
 で、あらすじだとどう読んでも主人公なメイヴェですが、どうやら活躍するのはこの巻限りっぽいですね。続刊はルーフィスとディアンの物語みたいです。
 第11回ホワイトハート大賞の期待賞受賞作とのことなので、投稿用にメインの2人とは別にメイヴェという仮の主人公を据えて、規定枚数以内に1話として完結して読めるようにしたってところなのかもしれません。

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