吸血鬼の手帖

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† 墓標の森と、魔女の本 閉鎖師秘戦録

作者:扇智史
イラスト:よしずな
発売:エンターブレイン ファミ通文庫
初版:2004年12月31日
価格:640
頁数:284
 ユウとアレシュ。古より「現世」の理を揺るがす「世界孔」を閉じることを努めとし、その彼方から現れる外来知性種と、歴史の裏側で戦い血を流し続けた閉鎖師の末裔。
 そして異形と化し、破綻種(ディスパッチ)と忌避されつつ永遠を生き続けてきた少女と、その存在を憎みながらも、閉鎖師になるしかなかった少年。
 ふたつの孤独な魂が触れ合うとき、ふたりの前に「氷牙姫」が現れたのは、まさに宿命というべきものだったのだろう――。
 新鋭が描く<定められた喪失の物語>。
 『閉鎖師ユウと黄昏恋歌』は吸血鬼ちょい役だったけど、今回はメインキャストだよ!
 実のところ、前作が吸血鬼ちょい役過ぎたので全然期待せずに読んだんですが、これがなかなか面白かったです。
 強くて悪い吸血鬼。昼間は能力が下がって夜強いetc.吸血鬼と言われてぱっと想像する吸血鬼像から外れない吸血鬼です。
 とはいえこの世界のモンスター、吸血鬼だったりエルフだったりその他諸々みんなひっくるめて、基本的に「外来知性種(アウトロウ)」と呼ばれる違う世界からの来訪者なんですが。

 萌えとか燃えとかあまりないけど、面白かったです。吸血鬼が好みのタイプだったし!
 前作より先にこっち読んでも問題なさそう。むしろこっち先ならこっち先で利点があるかも。
 前回影の薄かった吸血鬼が今回これだけ出張ってきたんだ、タイトルにも出てくるのに存在感のなかった魔女が次回頑張るに違いない。

 なんて思いながら読み終わってふと冷静になる。
 これ何年前の本だ。
 1作目2004年6月初版で、2作目2004年12月初版。
 そしてそれ以降出ていない。
 ……打ち切られたか……な……。

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