吸血鬼の手帖

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† 薔薇の渇き

原題:The Hunger
作者:ホイットリー・ストリーバー(Whitley Strieber)
訳者:山田順子
発売:新潮社 新潮文庫
初版:2003年09月01日
価格:781
頁数:515
 何世紀にもわたって生き続けている謎の貴婦人ミリアム。ここ180年ほどは夫ジョンと連れ添っていたが、急激に老い始めたジョンを目のあたりにして懊悩していた。パートナーを失うことを恐れた彼女は、老衰学の権威サラに接近し、自身の血の秘密を探ろうとするが……。恐怖と官能と科学とを融合させ、ホラー小説に新たな地平を拓いた幻の名作、ついに解禁! 映画「ハンガー」原作。
 作中、“吸血鬼”という単語は一度も出てきませんがしっかり吸血鬼物です。
 表題にもある「渇き」は血に対するするものであり、愛に対するものでもあるのでしょう。
 吸血鬼の美女ミリアムとその連れ添いであるジョン。睡眠と老化の関連性を研究しているサラとトム。この2組のカップルの話が並行し、絡み合っていきます。
 ミリアムは生粋のヴァンパイアであり、人間を吸血鬼化させることができます。しかし人間から吸血鬼に《転換》した者は完璧な不老不死にはなれず、ある程度の時間が経過したところで一気に老化してしまうのでした。何とかして老化しない仲間が欲しいミリアムは、サラの著書を読みその研究に目をつけます。
 サラは老化現象を止める術を突き止めることが出来るのか? そしてミリアムは完璧な仲間を手に入れることが出来るのか?
 パートナーを作り出し、そしてその老いによって訪れる別れ。何世紀にも渡ってそれを続け、老いた者も(たとえ飢餓に苛まれた怪物と化しても)決して見捨てずに自分のそばに(閉じ込めてでも)置いておくというミリアム。愛って何なんでしょうね?

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