† 屍鬼5
村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。鬼どもを追い立てる男たちの殺意が、村を覆っていく――。
白々と明けた暁に切って落とされた「屍鬼狩り」は、焔に彩られていつ果てるともなく続いていった。
高鳴る祭囃子の中、神社に積み上げられる累々たる屍。その前でどよめく群れは、果たして鬼か人間か……。
血と炎に染められた、壮絶なる完結編。
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村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。鬼どもを追い立てる男たちの殺意が、村を覆っていく――。
白々と明けた暁に切って落とされた「屍鬼狩り」は、焔に彩られていつ果てるともなく続いていった。
高鳴る祭囃子の中、神社に積み上げられる累々たる屍。その前でどよめく群れは、果たして鬼か人間か……。
血と炎に染められた、壮絶なる完結編。
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5巻の出だしは、気持ちいいですよ。
4巻でぐだぐだしていた村人たちの気持ちが、敏夫の機転で一気に変化し、団結する。
その瞬間は、喝采を送りたいようなそんな感覚なのだけれども、すぐにそれが不安に取って変わられる。
不安は不安でも屍鬼が勝つんじゃないか? という不安ではないところがポイントで。
目の前に、明確な「敵」が現れた時、人間の集団はかくも恐ろしいものなのか。
昼間、動けない屍鬼を次々と隠れ家から引きずり出し、杭を打つ。
それが自分の知り合いだろうと、家族だろうと、相手はもう人間ではないから。
ちょっと前まで「起き上がりなんているわけない」と言っていた人たちが、杭を打っていく。
相手が生きた人間であっても、倒してしまう。狩人の言うことを聞かない相手は屍鬼かもしれないから。
村人たちが振り翳したのは、凶器であると同時に狂気でもあるのではないでしょうか。
無論、一括りに「村人」と言ったって、屍鬼を倒すことに疑問を抱かない者、迷いながらも参加する者、途中で耐え切れずに脱落する者、最初から参加しない者、といろいろな人がいて。
狩られる側に回った屍鬼は屍鬼で、踏みとどまって対決しようとする者もいれば、逃げようとする者もいる。
自分の罪を悔いて、村人が自分を狩りにくるのをじっと待っている者もいる。
悪を倒して大団円という単純な結末にはたどり着きません。
だから、すっきりとした結末を望む人には向かない作品かもしれません。
ただ、読み終わった時、振り返るように何かを考えさせられる作品だと思います。
吸血鬼が好きなら読んで損はないかと。
とまぁ真面目っぽい感想を書いておいてアレですが、一言だけ叫びたい。
静信の最初から最後までの優柔不断っぷりはさすがに鬱陶しいわ!