吸血鬼の手帖

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† ヴァンパイア2

作者:高橋由紀
発売:白泉社 花とゆめコミックス
初版:1999年12月10日
価格:390
頁数:190
 19世紀初頭・英国――貧しき少年ライネルは聖夜に冷徹な瞳を持つ男と出会った。
 時が過ぎ、領主の元で働くライネルの生活は順調だったが、その時あの男が再び彼の前に現れ、事態は急転していく…。
 無限の時を彷徨う美しき吸血鬼・アレイストが綴る永遠のブラディロマンホラー!!
収録
1.ヴァンパイア-聖餐-
2.ヴァンパイア-待宵草-
3.ヴァンパイア-狂ったジュリエット-
4.ヴァンパイア-白い血黒い血-
 《ヴァンパイア》第2弾。
 吸血鬼アレイストを中心に、短編連作。前後の繋がりを知らなくても読める程度の連作。
 ちょっと異色なのは『狂ったジュリエット』。この短編だけオリジナルストーリーではなく、「ロミオとジュリエット」の世界にアレイストが絡んでいたら……? なIF物語風の短編です。
 キレたジュリエットの顔がすんごく怖いです。女の怨念恐るべし。

 何というか、私の中ではアレイストって、「人間は捨てたもんじゃない」と誰かに証明して欲しくて、「人間なんて所詮こんなもの」と言って回っているイメージがあります。たまーに自分が恋に落ちかけちゃってしょんぼり。
 ……って書くと物凄く可愛いキャラのようだ。寂しがり屋の独り好きですね。うん。可愛い可愛い。

 1巻の柱で「ルーマニアに行きたい」と雄叫びを上げていた作者ですが、2巻の柱で「ルーマニアに行ってきました」という報告&簡易レポが載っています。
 このルーマニア旅行ネタは“はしだ由花里”名義の同人誌『死より美しく生より儚く』に詳しく載っています。

 何がどうなったのか知らないのですが、この巻が出た後、白泉社と縁が切れた(?)ようで、続刊は少々作風を変えて小学館から。
 ちなみに『狂ったジュリエット』『白い血黒い血』は小学館版にも再録されています。

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