吸血鬼の手帖

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† ブラックロッド

作者:古橋秀之
イラスト:雨宮慶太
発売:メディアワークス 電撃文庫
初版:1997年04月25日
価格:490
頁数:228
 ブラックロッド──公安局・魔導特捜官。精神拘束(ゲアス)により全ての感情を封印した彼に表情はない。まるで死人の顔。
 ヴァージニア9──降魔局・妖術技官(ウィッチクラフト・オフィサー)。黄色い外套をはおった少女。だが、侮る事は禁物だ。彼女は魔女の分身なのだから。
 ビリー・ロン──探偵業をなりわいとする気さくな青年。人なつっこい笑顔にには、だが“牙”がある。
 ゼン・ランドー──3つの都市を奈落堕(フォールダウン)させた隻眼の男。その正体は人か魔か……。
  第2回電撃ゲーム小説大賞で<大賞>を受賞した異色作。異形の町ケイオス・ヘキサが今文庫に出現する。
 サイバーパンクがお好きな方、東洋オカルトがお好きな方、是非どうぞ。
  しょっぱなからローマ字表記の般若心経。呪装戦術隊(武装、でないあたりがポイント)に機甲折伏隊。手にした数珠は弾帯……。20ミリ種字(ビージャ)バルカンの装弾は「ナウマクサンマン弾」やら「プラジュニャー・パラミット弾」やら……。
  サイバーパンクな世界観の中に東洋オカルトがガリガリ詰め込まれています。心臓と脳幹さえ残れば大丈夫、という吸血鬼もなかなか力強し。頭切り落としてもへっちゃら平気。高速再生していく描写は圧巻。でもスプラッタが嫌いな人には少し酷な描写かも……。
 とにかく吸血鬼好きの私ですが、この巻ではそれはどっかにうっちゃって、表題にもなっている“ブラックロッド”君がいいですね。死人の“ブラックロッド”ではなく、スカーフェイスの”ブラックロッド”が。
 『ブラッドジャケット』『ブライトライツ・ホーリーランド』と続きます。

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