吸血鬼の種類、関連する用語、作家や俳優、映画のタイトルまで、ずらりずらりと五十音順に解説が並んでいます。文章主体のため、写真や絵は少なめ。
　まさに「事典」。「読む」というよりも「引く」ための本。
　猛烈な吸血鬼好きでも無い限り、一気読みは目指さずに、思いついた時、気になった時、わからない言葉に出会った時に何度も引いて、いつの間にかコンプリートくらいがいいと思います。
　暇つぶしに国語辞書等を読んで楽しめるような根っからの活字中毒タイプなら、全部ずらずら読んでもきっと楽しいですが。
　見出し語になっているものは解説文中でゴシック体で表示されているので、それを頼りに関連項目を次々に引いていくのも面白いです。

　訳者あとがきにもあるように、残念ながら日本に関する項目はほとんどありません。
　2ndエディションなんていって追補版でも出ないかなぁ。今出たらきっと日本の作品もドカドカ入ると思うのです。

　言うまでもないと思いますが、人名を引く時は「ブラム・ストーカー」なら「ストーカー、ブラム」と表記されているので「す」の項目を引きましょう。