† 妖魔の宴 ドラキュラ編1
原題:The Ultimate Dracula vol.1
作者:ダン・シモンズ、フィリップ・ホセ・ファーマー、アン・ライス、エドワード・D・ホック、他(Dan Simmons, Philip Jose Farmer, Anne O'brien Rice, Edward D. Hoch)
訳者:嶋田洋一
表紙:打道宗廣
発売:竹書房 竹書房文庫
初版:1992年09月06日
原語版初版:1991
価格:563
頁数:322
作者:ダン・シモンズ、フィリップ・ホセ・ファーマー、アン・ライス、エドワード・D・ホック、他(Dan Simmons, Philip Jose Farmer, Anne O'brien Rice, Edward D. Hoch)
訳者:嶋田洋一
表紙:打道宗廣
発売:竹書房 竹書房文庫
初版:1992年09月06日
原語版初版:1991
価格:563
頁数:322
魔界の貴公子、ドラキュラ伯爵の館へようこそ!
ベラ・ルゴシ主演の記念すべきドラキュラ映画『魔人ドラキュラ』が発表されてはや60年。巨匠フランシス・コッポラはブラム・ストーカーのドラキュラを新たに映像化(93年正月映画)し、魔人復活ムーブメントは必至。
本書はホラー、ミステリー、SFなどの分野で活躍中のベテラン作家が吸血鬼ドラキュラをテーマに競作し、監修の菊地秀行による書き下ろしエッセイも加えた、ホラー・アンソロジーの決定版である。
1. | [序文]ドラキュラ伯爵の復活 | 菊地秀行 |
2. | ランプリング・ゲートの主 The Master of Rampling Gate | アン・ライス Anne O'brien Rice |
3. | スタイルの問題 A Matter of Style | ロン・ディー Ron Dee |
4. | 選抜試験 Selection Process | エド・ゴーマン Ed Gorman |
5. | 隠れ家の吸血鬼 The Vampire in His Closet | ヘザー・グレアム Heather Graham |
6. | 十番目の学生 The Tenth Scholar | スティーヴ・ラスニック・テム&メラニー・テム Steve Rasnic Tem and Melanie Tem |
7. | 誰にも欠点はある Nobody's Perfect | フィリップ・ホセ・ファーマー Philip Jose Farmer |
8. | 一九四四年のドラキュラ Dracula 1944 | エドワード・D・ホック Edward D. Hoch |
9. | ドラキュラの子供たち All Dracula's Children | ダン・シモンズ Dan Simmons |
10. | [解説]誕生日おめでとう、ドラキュラ! Introduction | レオナード・ウルフ Leonard Wolf |
11. | [エッセイ]我がドラキュラ映画の時代 | 菊地秀行 |
という衝動に駆られて再読。
映画『魔人ドラキュラ』公開から60年を記念して発行されたアンソロジーです。
ってことで、発行は1991年(日本語版は1992年)と約20年前……。
でも、面白いものは何年経とうが面白い。
短編集、特にいろいろな作家の集まるアンソロジーともなると、一冊で毛色の違うものをたくさん読めるのが良いですな。ほくほく。
私の一番のお気に入りは『スタイルの問題』。
なりたて吸血鬼の悲喜こもごもだけでも面白いのに、オチが見事。
他の短編も、幻想的なものから、ナチスネタ、新興宗教ネタまで各種取りそろえられていて、一冊通して読むと、吸血鬼より人間の方が狡賢くて怖いんじゃないかという気分になってきます。
完全に独立した短編だけではなくて、ダン・シモンズ『夜の子供たち』の序章? のような作品も含まれています。
ハズレのない短編集です。
かなりお勧め。
巻末に掲載されている菊地秀行『我がドラキュラ映画の時代(前篇)』がまた面白いのですよ。
1本のホラー映画が1人の人間の人生を変えた、と切々とドラキュラ伯爵に対する愛を語りまくっています。
でも多分絶版……。