吸血鬼の手帖

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† ミッドナイト・ロンリー・モンスター

作者:山田睦月
発売:新書館 ウィングス・コミックス
初版:1992年05月25日
価格:476
頁数:206
 街はずれのさびれた屋敷に、たった一人で住むグレイ。夜になると目覚め、朝日の中で眠りにつく彼は、寂しい吸血鬼だった。
 人間の世界では生きられず、かといって人間を憎むこともできない傷ついた彼の前に、一人の少女が飛び込んできて……。
 夜の中にたたずむやさしい吸血鬼の物語など七篇を収録した、山田睦月の初の単行本!!
収録
1.ミッドナイト・ロンリー・モンスター
2.真夏の夜の夢
3.白夜
4.月下美人
5.a wish flower
6.魔法の木
7.TWO YEARS AFTER
 山田睦月デビューコミックス。
 人間に追い詰められて孤独に生きる吸血鬼“グレイ”はそれでも人間が大好き。
「どうして? 静かに暮らしていたいだけなのに 父さん、母さん……」
「憎めば生きていける 今よりずっと楽に――」
「困った事にぼくは人間を愛している」
「自分がひとりなのだと気づくのはこんな時です」
「人間の世界では生きられず 人を憎む事もできないぼくは いったいなにで どうすればいいのですか」
 こんな吸血鬼の独白に心が動く人にお薦め。

 描写を細かく見ていけば、懐中電灯の光で火傷してたりしてそれじゃ今時夜でも外に出られんだろう、みたいな突っ込みたい部分もあったりしますが、そんなことにケチをつけるのが勿体無いと思える名作。
 殺伐系でないと嫌だ! という人には合わないと思いますが、それ以外の吸血鬼のタイプになら多方向に適応できそうな感じです。綺麗でシリアスでほのぼので物哀しい何とも言えない雰囲気。

 2004年に文庫化されており、文庫版にはコミックス版にプラスしてグレイとティナの短編が描き下ろされています。

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