† シャーロック・ホームズ対ドラキュラ-あるいは血まみれ伯爵の冒険
原題:Sherlock Holmes vs. Dracula or The Adventure of the Sanguinary Count
作者:ローレン・D・エスルマン(Loren D. Estleman)
訳者:日暮雅通
発売:河出書房新社 河出文庫
初版:1992年04月04日
原語版初版:1978
価格:573
頁数:247
作者:ローレン・D・エスルマン(Loren D. Estleman)
訳者:日暮雅通
発売:河出書房新社 河出文庫
初版:1992年04月04日
原語版初版:1978
価格:573
頁数:247
シャーロック・ホームズの輝かしい冒険のなかに、まだ公開されていない大事件があった!!
それはあのドラキュラ伯爵にまつわる怖ろしい怪事件であった。なんとホームズは、ドラキュラ伯爵とすさまじい死闘を演じたことがあったのだ……。
ハードボイルド作家として知られるローレン・D・エスルマンが、ホームズ・パロディーに挑戦した若き日の怪作、遂に登場!!
その流れでこちらも久々に再読。
メインはドラキュラではなくホームズです。
元ネタのホームズとドラキュラの両方を読んでいれば間違いなく楽しいですが、ホームズに関してはおおよそのイメージしか知らなくても大丈夫だと思います。「なんか有名&すごい探偵」くらいでも……多分。
ただ、ホームズ&ワトソンの会話中にちょこちょこと彼らが取り扱った事件の名前等が出てくるので、そういう部分が気になるという人はホームズも読んでおけばなおよし。有名なシリーズですし、これ以外の作品でも取り扱われることも多いですし、読んで損はないはず。
自分もあまり他人のことをとやかく言える立場じゃないオタクですけど、気合いの入ったシャーロキアンって本当に凄いよね。どれだけ原典からネタ拾いまくってリストアップしているんだろうと。
『吸血鬼ドラキュラ』のストーリー上にホームズを割り込ませているので、そちらはきちんと読んでおいた方がいいと思います。
ワトソン視点なだけあってドラキュラ伯爵(+ヴァン・ヘルシング御一行様)の出番は少な目で、原典を知らないと事件のどの流れにどう首を突っ込んでいるのか意味不明な可能性が高いし、そうすると楽しみが半減以下になりそう。
「ちゃんと読んだことないけど、ドラキュラ伯爵がイギリスに来て、ヴァン・ヘルシング教授に追い詰められてトランシルヴァニアに戻って(略)っていうあらすじくらいは知ってるよ?」でも楽しめなくはないですが、伯爵がどういう経路でイギリスに来てどういう経路で逃げたとか、ヴァン・ヘルシング教授たちの行動とか、そういった部分を知らないと正直勿体ないと思う。と考えてしまうのは自分がドラキュラ側の人間だからか。
そもそもこれ、ホームズ・パロディですもんね。ドラキュラ伯爵に詳しいかどうかって二の次ですよね。
ああでもやっぱり、吸血鬼好き立場から見ると(以下省略)
まぁ基本、両方or片方の愛好者がニヤニヤしながら楽しむ本ということで。
「ちょっと吸血鬼に興味があるから何か読むものないかな?」
というタイプにはお勧めしません。